店主の酒話

「いの大国さま」ゆかりの酒屋

大国屋酒店は、高知県いの町の酒屋です。いの町は土佐和紙と歴史文化のまち。「いの大国さま」の名で親しまれる「椙本神社」には1200年以上の歴史があります。当店は神社から東に約500mの場所にあり、屋号の「大国」は椙本神社からいただきました。

水、米、酵母にこだわる店主の目利き

店主のおススメは、水、米、酵母にこだわった昔ながらの日本酒。高知県は全国屈指の酒の國。土佐の酒は、食の素材をいかす「淡麗辛口」が特長です。米の旨味を感じながら、食事と一緒に楽しむ土佐の地酒を厳選しました。

仁淀川水系の4つの酒蔵の地酒を厳選

高知県には18の酒蔵があります。その中から選んだ酒は、仁淀川流域にある4つの蔵元の地酒です。日本一の水質を誇る仁淀川は、流域に大きな恩恵を育んできました。高知酒造(いの町)、亀泉酒造(土佐市)、酔鯨酒造(土佐市)、司牡丹酒造(佐川町)の酒蔵の個性豊かな土佐の地酒をご賞味ください。

神の河・仁淀川と酒の歴史物語

風土記によると、仁淀川は、古くは「三輪川」と書いて「神河」と呼ばれ、「土佐国の大神に捧げるためにこの清い水を用いた」と記されています。「三輪」とは、酒の神が座する山として祀られる奈良県の三輪山のこと。神酒は古語で「みわ」といい、三輪は酒そのものを示す言葉でした。

仁淀川と椙本神社との深いつながり

仁淀川の清流で造られた神酒は、土佐の大神「土佐神社」(高知市)、日高村の小村神社、いの町の椙本神社などに奉納されたとか。椙本神社は土佐を代表する「福の神」。春と秋に行われる土佐三大祭の「いの大国祭」には、家内安全・商売繁盛などを祈願する多くの参拝者で賑わいます。

中岡 耕一(高知県酒造組合認定土佐酒アドバイザー)

昭和39年、高知県いの町生まれ。地域に根ざす酒屋として、歴史や食文化などを継承し、酒の味に誠実にこだわってきました。そして、たどりついた酒が米の旨味を楽しむ昔ながらの日本酒です。また、酒屋の配達業務を利用して、買物に行けないご年配のお宅への宅配などを実施。これからも、人と人とをつなぎ、地域をますます元気にしていきたいと考えています。